復興支援ワイン

Ci Fùは日本版ボテーロ

cifu

 ウンブリア震災地復興基金のために企画されたワイン、ボテーロ(Botero)については、本HPのワイン渉猟記「記憶に残るワイン」に書いた。東京、福岡、大阪、京都、札幌の試飲会で集まった義援金は、災害にあった各県に送ったので、各地の試飲会で開けたボテーロが、回り回って日本でも義援金になったわけだ。
 今回の震災では、茨城県も甚大な被害にあっており、たまたま基礎だけが残った「岡倉天心記念六角堂」を目にする機会があった。津波で六角堂は直下の太平洋に流されてしまった。茨城大学が修復基金を訴えていたので、エトリヴァンはチフー(Ci Fù)で参加することにした。流失した六角堂は幸いにもすぐ下の海中に沈んでいるらしく、再建には希望がもてる。
 Ci Fùを選んだ理由は、在庫に余裕があり、ワインの寿命もそれなりにありそうだからだ。いっときの熱気だけでは今回の災害には寄り添っていけない。少なくとも一年は続けたい。ワインのヴィンテージは2008年で、これには何もいうことはない。ラベルを変えることはできないので、ボトルにサンドブラストでメッセージを刻んだ。  
 「Rinascita」は「再生」。「雨ニモマケズ」。宮澤賢治が東北の人間であることは海外でも知られている。5年後には復興の姿がある程度は見えているのではないか、という希望を託して「2016」。
 このサンドブラストは、がんばって一日に9本がやっと。すべてのボトルにエッチングするには今年一杯かかりそう。駒岡の倉庫の片隅でその作業は続く。仙台や宮古の被災したお店でこのCi Fùを飲む方々がいる。これは望外の喜び。ボテーロ日本版を出してよかったと思う。