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ニェミッツ(Gnemiz)の白ワイン試飲で知ったこと


 久しぶりにニェミッツの白ワインをゆっくりと試飲する機会を得た。シャルドネとソーヴィニヨン。一番の関心事は、輸入して1年近く経過したソーヴィニヨン2007年がどのようになったのかを知ること。通関直後に何本か開けて試してみたが、酸味が押し気味で、やや神経質なワインの印象を受けた。今回はなかなか良かった。まず、香りは青味系ではなく、果物系統で、アタックはモモ、次にマンゴー、アプリコットで紛れもなくソーヴィニヨン・ブラン。二日たってから再び試飲しても、それほど傷んだ印象はなかった。モモやマンゴーの香りがバリックに毒されていないところが好きだ。アルコールは13.5度で、白ワインとしてはやや高めだが、それもあまり気にならない。この状態なら自信をもって薦められる。
 ついでにソーヴィニヨン2008年も開けてみた。印象的には2007年の輸入当初と同じ。ただ酸味はやさしいものだった。香りにネコのオシッコ(我が家のネコよりもエレガント)を感じる。ソーヴィニヨン・ペーリ(Sauvignon Peri)、ソーヴィニヨン・ソル(Sauvignon Sol)、各2008年を比較試飲した。「ペーリ」と「ソル」にはテクニカル情報上に相違点はない。飲んでも現時点ではそれぞれの持ち味を語れるようなものは見つけ出せなかった。いずれにしても先にいって楽しむワインだ。ならば、古酒の領域に入った「ソル」はということになり、2002、2003年を興味にまかせて開けた。
 幸いコルクの問題はなし。2002年は黄色を帯びて、これは見るからに古酒。嗅覚的にもソーヴィニヨンをアピールするものはない。2003年は前者と比べると、黄色味は僅かで、まだまだ液体に果物を感ずる。この年はフリウリも猛暑で過熟傾向だったが、飲んでみるとそれほどでもなく、グラス一杯で終わりになるワインではない。たった1年の差しかないのにワインがここまで違うのは、個体によるのか、ヴィンテージによるものなのか、判断に困ったが、各1本しかなかったので、次の段階に進めなかった。たぶん、後者が原因を作ったと思う。
 シャルドネ・ソル(Chardonnay Sol)2006と2007年を比較試飲した。やはり較べて飲むのは面白い。言うまでもなく熟成の進み具合がよくわかる。両ヴィンテージにはほとんど差はないというから、2007年の1年後の姿が想像できる。リーデルの「モンラッシェ」グラスで飲むほどの熟成には達していないので、特別なグラスは要しない。ニェミッツのシャルドネ像は流行のスタイルとは異なる。入口の香りはあっても、口に流すと空疎だったりする。このワインにはこういう印象はない。収穫年から4年経っているので、蜂蜜、ヘーゼル・ナッツなどの熟成香がわずかにある。この傾向は年を重ねるにつれてはっきりしてくるのではないだろうか。飲みごろの入り口に立ったと判断して、シャルドネ・ソル2006年をお薦めする。2007年は購入して、保管に気を付けながら待ったらいかがだろう。
 いよいよシャルドネ・ソル・マンザーノ(Chardonnay Sol Manzano) とシャルドネ・サン・ズアン(Chardonnay San Zuan)の話。ともに2006年。前者は樹齢80年、後者が50年。バリックによるアルコール発酵、熟成は共通。生産本数はマンザーノが258本、サン・ズアンが257本。各36本輸入した。ワイナリーでは飲ませてもらったが、実は輸入したものはまだ試飲もしていない。ここで飲んでも評価に戸惑うだけ。とにかくエトリヴァンが輸入したワインでは一番高価だ。4〜5年先に「とてつもない液体」に化けるであろう。でなければその価格に説明がつかない。西暦2006年、あるいは平成16年に特別の思いがある方が求められたら価値があるのではないかと思う。