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Montevertine

Montevertine

モンテヴェルティーネ

 レ・ペルゴレ・トルテ(Le Pergole Torte)を扱わなくなって数年になるが、僕が輸入した最初のヴィンテージは1986年になる。「従価税率適用」の裏張りがないので、輸入時期は1989年以降である。いわゆるスーパートスカーナの第一世代のシンボル的ワインだった。このころのワイナリーは、いかにも造り酒屋という風情で、当然ながら醸造設備も古くて内部は清潔とは言い難いものがあった。これは、イーゾレもモンタルチーノのマストロヤンニ(Mastrojanni)も同様の印象で、「ワイナリーはこんなものなのか」と思うことが多かった。モンテヴェルティーネでの試飲はワイナリーの中ではなく、隣接した住居の食堂で昼食をとりながらだった。ここは生産しているワインの種類が少ないので、試飲に集中できた。ペルゴレは、サンジョヴェーゼ主体のスーパートスカーナとしてはヴィンテージにあまり関係なく、押し出しに欠けるところがある。先代のセルジョ・マネッティ(Sergio Manetti)は、自分の畑のサンジョヴェーゼは繊細なのが持ち味と言っていた。最近1988と90年ヴィンテージを飲む機会(レストランにはまだ大事に抱えているシェフもいる)があり、自分が昔販売したものをほぼ無銭飲食させてもらった。各一本の経験なので緊張しながら言うが、やはりブルネッロのような時間に対する抵抗性はない。一口にサンジョヴェーゼと言っても、テロワールによって反映されるものが微妙で、この点を考慮して楽しむのが正解。古い話になるが、通信販売で「熟成を早める」瓶を買って輸入したばかりのペルゴレを試したが、感覚的には変化をつかめなかった。単三電池を瓶の底にセットするものだったと記憶している。
 輸入者から冷静に見ると、ペルゴレは当初からラベルの意匠で得をしたように思う。今はすべてのラベルが女性を描いた絵になっているが、輸入当初は木箱の半分、つまり6本だけで、注文があるとどのように配分するか困ったが、購入者はほぼ固定されていたので混乱はなかった。
 完熟がむずかしいと言われるトスカーナ内陸で、ほぼ毎年生産されている(1989年、2002年はなかった)。ワイン像にもそれは出ているが、これと関係なく価格が上昇気味なのは不思議。

1986-2001年まで生産者より輸入。