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La Poderina

La Poderina

ラ・ポデリーナ

 ラ・ポデリーナを輸入するようになった経緯も覚えている。ブルネッロを集め始めたころは、このワインについて知識らしいものはほとんどなかったので、自力だけで探すには限界があった。最初に輸入したヴィンテージが1985年なので、日本でこのワイナリーが市場に出回ったのは1990年となる。23年間取り引きをしているGMG(ジーエムジー)が仲介してくれた。この会社は、フィレンツェの郊外に事務所を構えたワインブローカーで、こちらの要望を伝えると、それに相応しいものを提案してくる。彼らのところでも試飲するが、ワイナリーも訪ねて生産者の顔を見てから買い付ける。これが原則なので、ラ・ポデリーナの場合もそうした。ぶどう畑は、モンタルチーノの町の南西向き斜面に広がっていた。これで栽培条件がやや異なるブルネッロが輸入リストに加わった。
 初めて投入したヴィンテージが、85年という歴史的な優良年であったことも追い風となって順調に売れた。このころは従価税が廃止されて間もなく、高い税金が障壁になって輸入できなかった高額ワインが一気に雪崩れ込んだ。通常、ブローカーを経由して買い付けると、仲介料が上乗せされるから高くなるが、他の生産者から直接購入しているブルネッロよりも安かった。イタリア人同士で交渉してもらうほうが安くなるケースが出るようになり、ブローカーとの上手な付き合い方を学んだ。いずれにせよ、ここのブルネッロはお買い得で、85、88、88年リゼルヴァ、90、93、94年と輸入した。たしか、92年は気候の関係で造っていない。1993-94年当時、88年が2,800円、リゼルヴァが3,500円と、今ではありえない価格で販売された。安い出荷価格と為替が後押ししてくれた。
 ラ・ポデリーナのブルネッロは、今も相当の数が残っている。それもビッグヴィンテージばかり。最近は開けたことはないが、ワインの年齢を考慮すると、そろそろ眺めるだけではいけない。しばらくこのワイナリーに行ってないので分からないが、買い付け当時はバリックで熟成させる方法は採用してなかった。伝統スタイルのブルネッロなので、まだ健康年齢の範囲にあるものと推測する。とは言っても、ブルネッロは経験的には20年が飲み物として楽しめるギリギリのところ。これを越えると「古酒」の世界で、飲んだ人たちはバラバラなことを言い出し、時には意味不明なことまでも聞こえてきて空耳を走らせたくなる。

1985-1994年ヴィンテージまでブローカーより輸入。