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Solatione

Solatione

ソラティオーネ

 このワイナリーとの付き合いは、1992年ころからではないか。ヴィンテージ的に考えても、もう無理と思うが、1992年、94年のキアンティ・クラッシコが残っている。
 ソラティオーネは、ファビオ(Fabio)とフランチェスカ(Francesca)の兄妹で運営されている。エトリヴァンが輸入する一部ワインの輸出商社、セレツィオーネを経営するフォルミリの母方のいとこに当たる。ファビオの仕事はワイン造りだけではなく、週に2日間フィレンツェの消防署にパートとして通っている。父親がいたころは、消防署の仕事に専念していた。ぶどう畑の面倒は、母親とファビオの奥さんが手伝っている。理由は不明だが、取り引きの初期には2〜3回輸入したが、後は続かなかった。品質的にも良い年であった訳でもなかったので、販売側の問題ではなかったと思う。
 数年前からセレツィオーネの扱いから外れてしまったので、彼らの間で何かが起こったのだろうと思って近づかなかった。たまたま、ソラティオーネの近くを通った時、門が開け放されていたので、自然に中に吸い込まれてしまった。試飲させてもらったキアンティは父親の代のものとは違う造りになっていた。ミックスする前のベースとなるサンジョヴェーゼ、メルロー単一で瓶詰めされるもの、あるいはキアンティに混ぜるためのメルローなどを試飲させてもらった。ファビオは「ここは標高が高いけれど、サンジョヴェーゼはだいたい完熟する」と言っていた。メルローが気に入った。昼夜の温度差が大きい畑のメルローは、ややビロード感に欠けるが厚みはある。ここが、ソラティオーネのワインをよしとする理由。個人的には、サンジョヴェーゼとメルローの組み合わせが幸せだと思う。ただ、その黄金比がどんなものなのかは簡単には決められない。ファビオの口癖は「中学校卒業の自分には、醸造学の分厚い本に書いてあることは分からないけれど」で、そう言ってから僕にいろいろと訊いてくる。
 昼になると母親がテーブルに昼食を用意してくれる。メニューは決まっている。ポマローラを使ったスパゲッティとアリスタ、またはフィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーンステーキ)。これに合わせるものは、ここのキアンティしかない。ファビオは「他のワインが飲みたかったら持って来て」と言うが、一度もしたことはない。ここで食べさせてもらうフィオレンティーナの肉は絶品。レストランでバカ高い代金を払って食べるのが馬鹿らしい。
 ソラティオーネでは、地酒が世界的レベルのワインに化ける過程を目撃した。ここから眺めたトスカーナの丘陵は素晴らしいの一言。ぶどう畑の紅葉に絶句する。


1995年から1998年頃まで輸入商社より、2003年ヴィンテージより生産者から輸入。
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